みなさん、こんにちは

 ゴールデンウィークの真っ只中です。仕事によっては休みの取り様で10連休以上にもなるそうですが、当院のお休みはカレンダー通りとなっています。以前の本稿にも記したと思うのですが、当院は隣県の弘前市へも30分ほどで行けるところですので、GWとなると弘前公園の桜を見に出かけておりました。ただ今年はソメイヨシノの満開が例年より1週間ほど早かったようで、ベストと言える時期に訪れることができませんでした。でも種類によってはまだ楽しめるそうですし、桜まつりもGW期間中開催しているとのことですので、足を伸ばしてみようと思っております。

 さて、前回の本稿では本年度の診療報酬改定について不妊症に関連にしたお話をしましたが、今回は情報通信に関連したお話をしたいと思います。最初は「オンライン診療」についてです。情報通信機器を用いたオンライン診療について、以前は「医療機関と患家との距離がおおむね30分以内」などの制約があったため、なかなか門戸が広がりづらい状況でしたが、図らずもCOVID-19の蔓延がオンライン診療を後押しする形になりました。新たな診療報酬改定では、懸案事項であった初診からのオンライン診療についても評価されるようになりました。ただお分かりの通り、実際の受診と比べオンライン診療では診察・治療する上で得られる情報が限られますので、いままでの受診歴や紹介状がない場合は、診察にあたって患者さんとの合意が得られていることがオンライン診療を行うにあたり重要になります。そしてその合意にあたっては、各医療施設の「オンライン診療計画」にも同意することが求められます。診療計画の項目は決められており、どのような機器を使用するか?急変時の対応、情報漏洩のリスクなど9項目にわたっております。今回の改定ではオンライン診療における初診料は対面診療の87%、また再診料や外来診療料は対面と同等の価格で設定されました。一見、「わざわざ病院に行かなくていい上、ちょっと割安♪」と思われるかもしれませんが、診察に係る通信費、さらに処方箋や薬剤の配送、診察費決済システムのサービスは個々の施設での自費請求となりますので、通院の手間はない分、対面診療よりは出費がかさむことも知っておいたほうが良いと思います。

 次は「オンライン資格確認システム」についてです。これについては2020年9月の本稿でお話しした、「顔写真付きマイナンバーカードが保険証にもなる」というものです。昨今のコロナ禍ですべての医療施設は日常診療における感染症関係の負担やノルマが増加していますが、それはそれということで、お上は手綱を緩めず予定通り今年度末までにより多くの施設でシステム導入を図りたいようです。マイナンバーカードが保険証として利用されることによるメリットは、過去の本稿に上げましたように、保険証情報に加え、特定健診のデータや薬剤情報もオンラインで閲覧できることから、重複した検査や投薬を回避できたり、大規模災害被災時において最低限の医療情報を速やかに得られたりするメリットがあります。ただ患者さん側としては、マイナンバーカードを保険証として提出した場合、初診料に21円、再診料に12円が月1回診察料に加算されます(実際は他の項目と合算して10円未満は四捨五入)。そうなると自然にある疑問が湧いてきます・・・「なぜ便が良くなったのに診療費が高くなってしまうの?」と・・・。netの世界でもそんな意見が飛び交っていました。

 まぁ確かにそうなんですが、私はこの問題は「高速道路」と同じと考えています。一般道で行くより高速道路だと時間はかからないし、歩行者のストレスもありません。その利を受けるために通行料を支払い、その通行料は建設費や維持費に充てられています。当院も遅まきながらシステム導入の準備をしておりますが、導入から運用にかかる経費は後に支給される補助金の倍額も要してしまい、その後も維持費が必要となります。それゆえ患者さんにも「受益者負担」をお願いすることになる・・・と言ってしまえばそれまでですが、マイナンバーカードより得られる医療情報は、皆様のより良い診療の一助になることは間違いありません。コロナ禍や紛争のせいで、昨今どの家庭においても経済的な負担がのしかかっていることとは思いますが、診療上の恩恵を十分ご理解の上、(当院だけではなく医療機関全体での)システム導入についての診療費負担につき、どうかご納得のほどお願いいたします。(2021.5.1)。


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院長のcapricciosa(気まぐれ)