今年も半分が過ぎました。

 ここ数日は湿っぽい天気になりましたが、それまでは梅雨入りも不確かな天候が続いていました。天候の崩れがない中、先月半ばのゲリラ豪雨のため内装の損傷で臨時休診となり、受診を予定されていた皆様にはご迷惑をおかけいたしました。北極圏のシベリアでは38度の気温上昇があったとのこと、気象の世界では想像を超える事象が起こっているのかもしれません。

 さて新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19と省略)が席巻した上半期でしたが、先月より緊急事態警報が解除され、後半からは県をまたぐ移動の制限もなくなりました。プロスポーツも遅い開幕を迎え、今日からはTDL/TDSなどのテーマパークも制限付きながら開園となりました。ここ秋田県は、4月14日以降新規患者発生はなく、安定した状態が続いております。しかし経済活動の再開に伴い、アメリカ南部や北京では再び感染者が増加に転じています。この傾向から日本も逃れることはできないでしょう。感染抑制と経済活動の向上・・・このバランスの「かじ取り」が今後非常に重要になることでしょう。

 COVID-19が席巻したこの約半年・・・日々の日常臨床で感じたこと、そしてこれからの「withコロナ」の時代において明記しなければいけないこと・・・今月の本稿ではそれらについてお話ししたいと思います。

1. インフルエンザの低調な流行
 このことについては皆さんも耳にしたり感じられたりしたのではないでしょうか?昨シーズン(2018/19)では罹患者が1,200万人越えで、3,400人ほどの方がお亡くなりになりました。しかし今シーズン(2019/20)は死亡者のデータは不明ですが、罹患者は730万人弱と3割ほど減少しておりました。詳細を分析すると昨シーズンに比べ警報発令の時期は若干早めでしたが、1月は前年度の3分の一ほどのピークでしかなく、そのまま収束に至りました。当地域においても、当院でのインフルエンザ治療者数は昨年度と今年度では人数の差がほとんどありませんでしたが、2月下旬以降にインフルエンザで受診した患者さんはほとんどいなく、同時期から増加してくるインフルエンザBの流行もありませんでした。私が学校医を務める中学校では、昨シーズンはインフルエンザによる学年閉鎖がありましたが、今シーズンは1つの学級閉鎖もありませんでした。COVID-19への対応である「3密回避」の行動が流行の歯止めに寄与したとは、時間的理由から困難であると言えます。しかし今後予想される第2波の到来が冬場ということになれば、インフルエンザに加えマイコプラズマ肺炎といった発熱性呼吸器疾患の予防・流行防止には、引き続き「新しい生活様式」の順守が求められるでしょう。

2. 人工妊娠中絶数の増加
 
この問題については他県においてもweb上に掲載されていましたが、本県のデータでも1~5月の人工妊娠中絶数は前年と比べ1割ほど増加しております(296件vs 337件)。単月で見ると県内全体では4月が前年と比べほぼ倍増(40件vs74件)ですが、当院では6月が前年と比較し倍増しておりました。当院の症例を検討してみますと、排卵時期が緊急事態宣言中であることから、活動自粛のストレスなどが増加の背景としてあることが考えられました。少子高齢化の先鋒である本県において、中絶数の増加はそのまま県の土台を揺るがしかねないといっても過言ではありません。また身体的な負担に加え、経済状況が不安定なときに、中絶手術への出費は少なからず家計への負担にもなることでしょう。現在のところ「withコロナ」の時代の終焉は見通せません。適切な避妊をもって、各々の家族計画を行ってください(適切な避妊についての相談も産婦人科外来では行っております)(2020.7.1)。

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院長のcapricciosa(気まぐれ)