みなさん、こんにちは
年越しをまたいで先月前半は爆弾低気圧のため、暴風と大雪に見舞われましたが、月後半になると3月並みの気温の時もあり、それなりの雪解けとなりました。それまでは当地も一気に積雪が増えましたけど、鹿角から小坂、坂梨峠を越えて青森県に行くにつれて、積雪は殊更増しておりました。半径50kmそこそこの圏内ですが、積雪量の違いには今更ながら驚かされます。今月には冬の国スポ(国民スポーツ大会)が当地で催されます。現在のところ雪不足や感染症の心配も少ないので、3年前より華やかに行われることでしょう。
感染症といえば、今シーズンはインフルエンザも新型コロナウイルス感染症も、「両雄並び立って」流行しています。以前は「同系統(例:呼吸器)のウイルス感染症は複数疾患が同時に流行しない」なんて言われていましたが、その「定説」も最近では覆されている感があります。背景に新型コロナがほぼ通年感染症となっていることに加え、コロナ禍においてインフルエンザワクチンの接種率が低迷したことで、既得抗体が低下し感染者の増大につながっていることも原因かもしれません。さらにRSウイルス感染症やマイコプラズマ感染症も絡んで、今シーズンは悪い意味で「呼吸器感染症の群雄割拠状態」と言えましょう。
先日同業が集うネットフォーラムで、ある「お題」が出されました・・・「鼻毛を抜くと風邪をひきやすくなる・・・どう思う?」というものです(苦笑)。医師1,337人の回答は「なる・どちらかというとなる」が約35%、「ならない・どちらかというとならない」が約40%と、結構お互い肉迫したデータとなりました。「ならない派」の理由は、かぜ症候群をもたらす病原体のうち細菌であれば気道上皮の表面にある短い毛(線毛)が働いて、「大玉送り」の要領で喉の方に押しやって(「龍〇散ダイレクト」のCMでその様子が見られます)咳や痰で体外に排出されますが、ウイルスはそれもすり抜けて奥に入り込んでしまいます。いずれにしても鼻粘膜の部分ではウイルスはもちろん細菌も鼻毛がフィルターとしてキャッチできないということで、風邪のひきにくさには関与しないという主張です。ただあるDrの経験として、某工業地帯で勤務していた時、粉塵の影響のためか同僚の多くが咳と痰で悩まされていた時、長時間在院している研修医が鼻毛を伸ばしっ放しにしていたら咳や痰がなかったとのことで、真似して鼻毛の手入れ?を止めたところ、他の職員の咳や痰も改善したとのことでした。そのDrはコロナ流行期も鼻毛の手入れをしなかったことで一人だけ感染を免れたとのことです。あくまでも経験談で学問的な裏付けはありませんが、「生体に不要なものなど何もないと痛感させられた」とその先生はおっしゃっておりました。
コロナに関していえば既に「ポスト・コロナ」の状態に入ったこともあり、ここ数か月くらいから「おめでた」でいらっしゃる方が、少しずつ増えてきた感じがします。そのような妊娠初期の方の数人から「現在脱毛に通っていますが、引き続き処理を続けても良いでしょうか?」との質問を受けることがありました。美容脱毛については2023年3月の本稿でもお話しさせていただきましたが、こと今回は妊娠との係わりをメインにお話ししたいと思います。
そもそも論ですが、美容外科で扱う対象は脱毛も含め「病気ではない」ので健康保険は効かず自費診療となります。極論ですが施術を受けるも受けないも個人の自由です。私達から見ると、緊急性のある状態ではないので、妊娠という「特殊な体調」の時に敢えて施術を受ける必要はないと考えますので、脱毛については妊娠中には中断し、出産後改めて再開する旨お話ししております。美容外科クリニックのHPを見ても妊娠中の脱毛は避ける旨記載しているところがほとんどです。産科的にも妊娠中は「妊娠性雀斑」という「そばかす」が出る変化も来しますし、初期には黄体ホルモンの影響で吹き出物などがでて肌荒れとなり、往々にして皮膚のコンディションが不安定になりがちです。そのような状況でVIO脱毛の際ちょっとした皮膚の傷が膿んで、何かの拍子に化膿菌が子宮の方まで感染が及ぶと、最悪のケースでは「絨毛羊膜炎」という流早産を招く重篤な感染症を発症することになりかねません。赤ちゃんが生まれると育児に追われて自分自身をケアする時間が大幅に削られるのは確かですし、それゆえ妊娠中に済ませておきたいというのは心情的に理解できます。でも「生体に不要なものなど何もない」「緊急性もない」となれば、諸々の優先順位が自ずと見えてくるのではないかと私は思っています(2025.2.1)。