今年も最後の月となりました。

 先月の本稿の「さわり」にも書きましたが、急に秋がやってきたせいで、連日の寒暖差が身に染みるほどになっております。しかしながら開業当初に経験した除雪が必要になるくらいの降雪に今年は全く見舞われておりません。でももう12月・・・いつドカ雪があってもおかしくないですよね。。。準備が大切です!

 さて先日ニュースを見てましたら、「厚労省、出産前後の国保保険料を免除へ」やら「自営や非正規に出産後給付を検討」といった報道がされていました。前者については自営業やフリーランスなどの方が加入している国民健康保険で出産前後4カ月間の保険料を免除するとのことで、2024年の実施を目指すとのことです。後者については、自営業やフリーランス、非正規で働く人向けに、子どもが生まれた後の一定期間、現金を受け取ることができる制度で、今のところ月額2万~3万円を子どもが1~2歳になるまで一律に定額支給する方向で検討する方向にあるとのことです。でも会社員が加入する健康保険では、前者については既に産前産後や育児休業中の保険料が免除されていますし、後者についても育児休業中に雇用保険から賃金の最大67%が出ております。社会保険との格差について国民健康保険でも同様の措置を求める声が上がっており、やっと「重い腰を上げて」制度化の方向になるようです。両方の制度とも国としては「少子化対策の一環」とか、「少子化対策につなげる狙い」とか言っておりますが、果たしてそううまくいくでしょうか?

 以前の本稿でもお話ししましたが、妊婦さんの経済的負担をいくらかでも軽減しようと、秋田県では2005年より妊婦健診の補助券を増発し、2017年には36週までの健診についてすべて補助券は支給され、今では産後1か月検診を含め産前の健診にはすべて補助券が発行されています。補助券が増発される前の2005年以前は妊婦健診の補助券は初期と後期の2回のみでしたが、その当時の合計特殊出生率(一人の女性が出産する子供の数)は1.5くらいで全国平均を上回っておりました。しかし2017年に36週までの健診で補助券がすべて発行されてからは1.3~1.4くらいで全国平均を下回っている状態が続いています。若い女性の県外流出の歯止めは効かないので、(出産適齢期の女性の減少)×(合計特殊出生率の低下)となれば、県の出生数が減少の一途をたどるのは明らかです。補助券による妊産婦さんの経済的支援を行っても、少子化の解消にはなかなか至らないのが実際のところで、「出産前後の国保保険料を免除」や「自営や非正規に出産後給付」をしても、それはすでに「二番煎じ」であり、社会保険給付者で少子化に歯止めがかかっていないのであれば、国民健康保険給付者に適応しても少子化の改善にはなかなか難しいと考えざるを得ません。

 ネットで「少子化・解消」で検索すると、一般の方々へのアンケート結果がヒットし、約半数が「子育てしやすい環境づくり」と回答しています。当然と言えば当然ですが、「生む前の支援」より「生んでからのサポート」を望んでいるのです。胎児期よりも幼児期、小学生よりも中学生の方が子育ての経済的負担が多くなっています。いまは生まれてから私立大学まで上げるとすると2,000万円程の費用が掛かるとのことです。経済的課題も大切ですが、さらに重要なのは「余裕をもって子育てできる環境づくり」なのではと思ってます。小単位ではお父さんも育児休暇が取りやすい風通しの良い環境づくり、また育児の負担を一手に負い込まないような育児サービスへの容易なアクセス、さらに地域のみんなで子育てしていくという機運の醸成などなど、いくらでも切り込む余地はありそうに思われます。

 歴史が大きく変わるターニング・ポイントには、「疫病・戦争・災害(または恐慌)」があるそうです。新型コロナ・ウクライナ戦争・豪雨災害や円安基調・・・2022年はほぼすべてがそろった1年でした。来年はどうか、ポジティブに回る1年であることを祈念して、今年のカプリを終えたいと思います。本稿も含め、今年もご愛読ありがとうございました。皆様よいお年をお迎えください(2022.12.1)。



院長のcapricciosa(気まぐれ)
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