
みなさん、こんにちは
先月は北海道・三陸沖地震で震度4の地震に見舞われました。東日本大震災以来、震度4の地震は昨年まではゼロでしたが、今年は既に2回目です。今週になり北海道・三陸沖後発地震注意情報が終了しましたが、その直前には北海道で震度5強の地震が起きてます。最近の地震はプレートに「スロースリップ」という「ずれ」が生じたとのことですので、注意情報は終了しても安心だと断言できる状況ではないかもしれません。
さてこう春めいてきますと、温泉・・・特に露天風呂がより心地よいものになってきます。冬場の露天風呂は極端な頭寒足熱ですので、今時期の春の冷気などは、サウナ好きの方には「ととのう」のに丁度よいのではないでしょうか?TVではサウナ好きが集まるバラエティー番組もありますが、検索しますと現在のサウナブームは「第三次」なのだそうです。第一次は1964年東京五輪でフィンランド選手団がサウナを持ち込こんだこと、第二次は1980〜90年代に健康ランドやスーパー銭湯の普及で男性サラリーマン中心に定着したこと、そして第三次は2010年代以降、若者・女性・ソロ利用など裾野が拡大し、「ととのう」が流行語になりました。2010年ころというのはリーマンショックの直後あたりでしょうか、急激な経済失速による将来展望の悪化もあると思いますが、諸外国も含め日本でも出生率の低さが目立った時代でした。そこで今回は「男性の妊活・・・サウナについて」と題し進めていきたいと思います。
その前に男性の外性器についてお話しさせていただきます。大雑把に女性と男性を対比すると、陰核に対し陰茎、大陰唇に対し陰嚢、卵巣に対して精巣となります。卵巣は卵子の発育~排卵と女性ホルモンの産生をするのに対し、精巣は精子形成と男性ホルモンの産生を行います。精子をつくる造精機能は体温より3℃くらい低い温度が良好であるため、卵巣と異なり精巣は腹腔外の陰嚢内にあります。その陰嚢の表面にしわが多くあるのは、車のラジエターのように表面積を広く保つことで熱放出を助ける働きがあります。陰嚢の皮膚はことのほか厚いというわけではなく、皮膚と精巣との間に水分などの緩衝もないので、お腹の中の臓器より精巣には外界の温度がより伝わりやすい状態と言えます。
そのような精巣の特徴から、「サウナは造精機能に影響を及ぼす」ことが報告されています。80~90度のサウナに15分で週2回×3か月入浴することで、精液中の精子濃度や精子の運動率が低下したことが報告されています。ただそれは低下したままではなく、サウナを止めて6か月後(論文によっては3か月後)には回復しています。アンケートでは一度サウナに行くと平均10分の入浴+クーリングの1セットを3セット行う人が多いようです。このセットでも造精機能への影響は十分考えられますし、その影響は水冷・空冷で「ととのえる」くらいでは回復せず、月単位の時間を要するのです。
それでは妊活において「サウナは悪」なのでしょうか?確かに「心身」の「身」には影響がありそうです。ただ「心」の面からみると、あながち「サウナは悪」とは言い切れないと私は考えています(ちなみに私個人的としては、どちらかと言うとサウナは苦手です・・・)。ホルモンの面からみると、サウナに入ることで、性欲や勃起機能を支える重要な男性ホルモンであるテストステロンの分泌が一時的に増加するという報告があります。またサウナと水風呂の温冷刺激によって、「β-エンドルフィン」「オキシトシン」「セロトニン」などの脳内物質の分泌が高まります。「β-エンドルフィン」は鎮痛効果や気分の高揚・幸福感をもたらし、「オキシトシン」はストレス緩和、「セロトニン」はうつ症状の改善・精神安定の効果があります。不妊治療中は想いとは別にスケジュールで性交渉を持っていただくことが多いです。そのことが時にストレスとなり、タイミングを逸することもあります。心的ストレスの軽減にサウナ入浴が一助となると思いますが、入浴による熱疲労も注意しないといけません。
以上から私としては、妊活中のサウナ入浴については、事前の精液検査などで問題がなければ、「適度な利用」であれば差支えないのではと考えます(検査値に何らかの指摘を受けた方は、サウナを控えるのがよろしいかと考えます)。じゃあその「適度な利用」とは・・・になりますが、私見として多くの施設が1回の入浴時間を8~12分程度にしているとのことなので、短時間の入浴(5分程度?・・・これで3セットだと水風呂の寒冷ストレスの方が高くなるかもしれません)で週1回くらいであれば許容範囲ではないでしょうか。今回サウナに注目しましたが、妊活のため今まで生活習慣であったのをむやみやたらに取りやめることは、別のストレスを生み出し、「木を見て森を見ず」になりかねないことに気を付けないといけません(2026.5.1)。
